日本の昔話

秘密の部屋で育てられたお姫様のお話


From:渡辺知応

 

小学生の頃、何かの出し物で『竹取物語』をやった記憶があります。
(たぶん、やったと思う…。同級生の方々、どうでしたっけ?)
竹取物語は別名『かぐや姫』ですよね。

竹取を生業としているおじいさんが、光る竹を発見。
パッカーン!と鉈を振ると、中から着信中のiPhone、、、

ではなく、中からなんとも可愛らしい女の子が出てきたそうな。
おじいさんは『かぐや姫』と名付け大事に育てた。

やがて美しく育ったかぐや姫は貴公子達の求婚を次々と断る。
平安時代の天下を治める最高君主でもある帝のお誘いも断る。
(うーん。NOといえる日本人の代表格ですね。。。)

最後は月からお迎えが来て、自分の星に帰る。
といった物語ですよね。

この物語は、ストーリー展開が単純明快であり、登場人物の設定がとても分かりやすいですよね。
なので、子供から大人まで幅広く読み継がれた、日本を代表する昔話の一つでもあります。
平安時代以降の説話に様々な影響を与えた作品でもあると言えます。
現代では、様々なメディアを通して海外でも親しまれています。

と、まぁ。竹取物語の回し者みたいですが、そうではありません。
大事なかぐや姫を守る為、おじいさんが用いた部屋が塗籠(ぬりごめ)だと書かれています。
他者の侵入を許さない空間という意味合いが塗籠にはあったことが分かりますよね。

ちなみに塗籠とは、部屋の周囲が厚い壁で塗り固められ、出入り口は1つしかない、平安貴族が住む家の覗いてはいけない、入ってはいけない部屋です。
くわしくは”覗いてはいけない。入ってはいけない。そんな部屋のお話“の記事を見てください。

しかしまぁ、竹取のおじいさんもやり手ですね。
いくら竹から生まれた美しい姫とはいえ、天下の帝にまで『かぐや姫』の名を響かせたのですからね。

きっとおじいさんの塗籠で育てた作戦が功をなしたのでしょう。
そんな部屋にいるお姫様ですから、町民たちがが騒ぐのも無理ありませんね。

町民A『おいおい。あそこのじーさんんちの塗籠に竹から出てきたお姫様がいるらしいぞ。』

町民B『なんと!そりゃ〜どんな姫なんじゃい?!』

町民A『いやはや。とんでもなくべっぴんさんだってー話だぜ。』

町民B『あんれま!まぁ、塗籠で大事に育てるくらいだから、ホントっぽいな、、、』

通りすがりの貴公子A『ほほぉ〜。どれどれ、いっちょオイラが落としてみっかな♫』

町民A『いやいや。既にあんたみたな貴公子が何人も振られたらしいですぜ、、、』

町民C『そういや〜。帝からの誘いも断ったって話ですぜ、、、』

通りすがりのIKKO『どんだけー!』

とまぁ、そんな会話が聞こえてきそうですね。

見てはいけない。とか、、、
入ってはいけない。など、、、
禁止されればされるほど、人々の注目は集まるわけです。

単純であるこの竹取物語ですが、人の心理をうまく突いていますよね。
日本人の心のしきたりでもある『禁忌』を上手に取り入れた日本を代表する物語というわけです。
どうりで、海外でも親しまれる訳だ。。。

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