日本の風習

『かごめかごめ』の遊びに隠された秘密


From:渡辺知応

『かーごめかごめ。かーごの中の鳥は、いーついーつ出ーやーる。夜明けの晩に、鶴と亀がすーべーった。後ろの正面だーれ?』

子供の頃にこの遊びをした人は多いのではないでしょうか?
20代後半以上の人はほぼこの遊びをしているはずです。

さてさて、誰もが知っているこの遊びは、、、
ご存知の通り、目隠しをした人が中央に入り『鬼』になります。
周囲を唄いながら周り、歌が終わった時に鬼の後ろにいる人を誰だか当てる遊びですよね。

当たれば鬼を交代します。
逆に当たらなければ何度でも鬼をやり続けなければならない、、、
といったルールでもあります。

さてさて、なんでこんな遊びが生まれたのでしょうか?
『かごめかごめ』とはどんな意味があるのでしょうか?

この遊びは、別名『目隠し鬼』とも呼ばれていて、元をたどると大人の宗教的儀礼を子供が真似たものだそうです。

また、日本各地で異なった歌詞が伝わっていることも特徴ですね。
面白い例があります。歌詞の中で、鶴と亀が出てきますよね。
その一部分だけ見ても各地で違うのです。

『鶴と亀が滑った』
『鶴と亀と滑った』
『つるつる滑った』
『つるっと亀が滑った』

使われている単語の音はほとんど変わらないのに全く意味が変わってきますよね。

さて、話がすこしそれましたので戻りますね。

『かごめかごめ』と似た遊びが東北地方にあります。
東北の各地では広く分布しているのが『地蔵遊び』です。

ルールは『かごめかごめ』と同様、円陣の中心に鬼が入り、真後ろの人を当てる『人当て遊び』であることには変わりないのですが、、、

歌詞がちょいと違うのです。
『中の中の地蔵様』とか『坊さん坊さん』といった単語が含まれています。
これは地蔵信仰を中心とした仏教の影響だそうです。

で、この遊びと地蔵信仰がどうして融合したかというと、、、

円陣の中央にいる者に地蔵を憑依(ひょうい)させて託宣を聞くという趣旨なのです。
ちなみに託宣(たくせん)とは、神が人にのり移ったり夢に現れたりして意思を告げること。
まぁ俗に言う『お告げ』ですね。

周囲が回転する円陣の中央に目隠しをして座るということは、、、
それだけで神がかりのイメージがありますよね。
つまり、この部分が大人の宗教的儀礼となります。
この行為をみた子供たちが真似をしたのですね。

そして、真似だけでは終わらず、、、
なんと中央に座った鬼の子は見事、憑霊(ひょうれい:つまり霊魂が取り付くといった意味)の対象となるのです。

なので、目隠しをしていても『後ろの正面』の人を当てることが可能になるのです。
おぉ!!!スゴイ。。。

ちにみに『後ろの正面』という表現方法はよくよく考える不思議な言い方ですね。
後ろなのに正面?
このあべこべな表現にも意味があります。
簡単に言うと、、、あべこべが意味する事は、、、見えないモノが見えるんです。
(詳しくはこの記事→『えんがっちょん!切ったー!』のあの指のジェスチャーってどんな意味があるの?を参照してください。)

従って、『かごめかごめ』もこのような信仰的な背景を受けた遊びだといえます。
そういった意味で『かごめかごめ』は『囲め囲め』の意味ではないかと推測されます。
地蔵遊びでもわかるように、子供の守護神としての地蔵信仰と深く関わった遊びだということですね。

ちなににこの唄は昭和初期に千葉県野田市の山中直治氏によって全国へと伝わり現在に至ったようです。
なので、野田市を通る東武野田線の清水公園駅の前に『かごめの唄の碑』が建立されています。

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