From:渡辺知応
『百鬼夜行』という四字熟語があります。
これはどんな光景かというと、ありとあらゆる鬼や妖怪などが勢ぞろいして、夜の道を群れなして歩いている様子です。
そんなご一行さんに遭遇したら大変です。
たちまち喰われてしまうと恐れていたそうです。
お経文を唱えることにより難を逃れた話。
読経しているうちに朝日が昇ったところで鬼たちが逃げたり、いなくなったりする話が一般的です。
多くは仏の功徳を説く説話でもあります。
さて、あなたは幽霊とお化けが別者だということを知っていますか?
お岩さんのように死者が成仏しないで現れる、死後の人間の霊が幽霊です。
人が死亡して肉体が消滅した後も、この世に未練や恨みがあるために成仏できない。
いわゆる『あの世』にいけない魂が、それらしき姿と声を持って、因縁のある人物の前に出現する存在を幽霊といいます。
で、お化けは人間以外が変化したものです。
つまり、動物や器物が変化(へんげ)したものということですね。
物を粗末に扱ったり、捨てることによって後で化けて出てくる、、、これがお化けなのです。
また、無意味に殺生されたり、恨みを抱いて死んだ動物などが違う姿となって現れるのもお化けと言えます。
文献上でも根拠のあるものが多いのも特徴です。
さて、近年では『百鬼夜行』の目撃情報がないところをみると、、、
お化けの類はあらかた絶滅してしまったのか、、、
いや。そんなはずはありません。
昔よりも物を粗末にする傾向にあるので、お化けは増えているはずです。
まぁ、お化けもお化けで、自分らより危険なヤツらがいる事に気がついたのでしょう。
どうです?毎日の情報番組から流れるニュースをみて人間て怖いな、、、と思いませんか?
そんなお化けは、昼夜問わず無意味な外出は控えている。。。
といえば、聞こえはいいですが、いかがなものか、、、
と、この記事を書いていたら、ある人が『百鬼夜行に遭った』という表現を使って書いていたコラムを思い出しました。
詳しくは出典が確かでないので明言は避けますが、『政治と金の問題』の件でしたね。
次々に醜行(しゅうこう:みにくく、恥ずべき行い)が暴かれ、政治家はあげて妖怪ぞろい。
国会はその巣窟である。
伏魔殿(ふくまでん:陰謀や悪事などが絶えずたくらまれ、魔物が潜む場所)からでてきた魑魅魍魎な政治家が百鬼夜行のごとく赤い絨毯を歩いている。
といったニュアンスの記事でしたね。
お化けも恐れる人間の欲望。
いやはや。
そりゃ、お化けも外出を控えますわ。