From:渡辺知応
かつては『下駄履きで起こしください』という言い方をよくしていたらしいです。
これはどう意味かというと、、、
特別な礼装などは必要ない、普段着でかまいませんよ。といった意です。
時代が変わり、当時はあれほど普通だった品物や道具がいつの間にか身の回りから姿を消していきました。
蚊帳や火鉢、たらいや七輪。
私は日常的に使ったことがないのでなんとも言えませんが、、、
懐かしいと思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、ことわざなどの慣用的な表現は、そうそう簡単に変わらないのもです。
と、いうか変われないのでしょう。
変わってしまったら意味が変わってしまうものもありますしね。
面白いのは、虱(しらみ)を見たことのな人が『しらみつぶし』という言葉を使う例があります。
さて、『下駄を預ける』ということわざですが、このことわざも『下駄』を日常で一般的に使っていない人が使う場合があります。
まさか、いつも下駄を履いていないから『靴を預ける』とは言う訳はありませんよね。
履物を預ける?さてどこに預けるのかというと、、、
芝居小屋に入る時に入り口で下足札と引き換えに預ける訳です。
下駄を返してもらわないことにはどこにも行けない。帰れない。
『下駄を預ける』とは、自分の身を預けたと同様である、といった意味なのです。