四字熟語

単刀直入とその対極

From:渡辺知応

単刀直入。
『単刀』であって『短刀』ではありません。
たった一本の刀です。
ただ一人でたった一本の刀で敵陣に切り込んでいきます。

準備も何もあったもんではありません。
いきなり真っ直ぐに敵に対するのです。
こちらに準備がないだけに、もちろん相手にも用意がありません。
従って、相手のありのままの姿を見ることができます。

元々は禅の言葉でした。
『景徳伝灯録』という禅書の『霊祐』という僧の条に、、、
『単刀、趣に入れば、すなわち凡聖情尽き、体真常をあらわす』という文があります。
つまりこういうことです。
いきなり問題の要点に入ることで、凡人も聖人もその本性をあらわしてしまうということです。

現代普通の用法は、回りくどい前置き無しに直ちに本題に入る、そんな率直な話し方の時に使います。
しかし、ある時代のある地方の古い風習に面白いものがあります。

仲人を立てて結婚の申し込みをしにいきます。
そこではいきなり単刀直入に、お宅の娘さんを、、、などと切り出してはいけないといいます。
まずは訪問して世間話だけをして帰っていく。
で、また後日訪れる。
次は食事などを振舞われて帰る。
で、これを何度も繰り返す。
対応する側はもちろんのこと訪れる方も疲れてくる。
もういい加減本来の用件に入りたいと思うほどの前置きがある。
この地域ではこれが礼儀にかなっているそうです。

単刀直入はある種の美徳ではありますがその対極もあります。
そんなお作法もなかなか捨て難い。
およそ現代ではないとしても。。。

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