From:渡辺知応
お墓と言えば、多くの方が石で出来ているイメージを持っていますよね。
最近では、室内にお骨を収める納骨堂も各地で見かける様になりました。
私のお寺の慶国寺でも松戸市で初めての納骨堂を運営しています。
また、樹木葬や散骨など多種多様になってきましたね。
宇宙葬なんて方法もあるそうです。
しかし、『お墓=石』のイメージがやはり大きいと思います。
では、なぜお墓は石で出来ているのでしょうか?
これには多くの諸説あります。
なので、今日はそのうちの1つをお話ししましょう。
あなたは日本神話の中に出てくるイザナギとイザナミをご存知ですか?
この二人を簡単にご説明すると『日本の神々の産みの親』なのです。
ちなみにイザナギとイザナミ性別のない神様ですが、夫婦だそうです。
一見矛盾しているようにも見えますが、ここは日本神話だということでスルーして下さい。
さてさて、古事記によると、、、
イザナギとイザナミは別天津神(ことあまつかみ:天と地をが出来た際、最初に現れた神様)に、『おーい。君たち。この大地を完成させておくれ。』と命じられたのです。
イエッサー!の一言で、イザナギとイザナミはさまざまな神々を生み出しました。
そんなある日の事。
イザナミは火の神を産みました。
ですが、出産の際に火傷を負って死んでしまうのです。
イザナミを愛していたイザナギはその原因でもある、火の神の首を刎ね、叩き切って殺してしまいます。
いやはや。いつの世も恨みつらみで殺してしまう事件は起こりますわな。。。
ちなみにこの時に飛び散った血からも神々が生まれたそうです。
そしてイザナギはイザナミを探しに旅に出ます。
たどり着いた先が、、、
そうです。『黄泉の国』です。
そうです。あの世です。
イザナギはイザナミを連れ戻しに黄泉の国に入国します。
イザナギはあの世の中心で愛を叫びました。
『うぉぉぉぉ!愛しいわが妻のイザナミよ!私とお前でつくった国はまだ完成していないんだ!だからこちらに帰ってきておくれー!』
で、す、が、、、
イザナミにはすでに帰れない理由がありました。
え?もう他の神様と仲睦まじくなってしまったから?
実は生きている時からイザナギが嫌いだったから?
イビキがうるさいから?
イザナギの収入が少ないから?
まぁ。そんな現代的な理由ではありまテン。
黄泉の国では、そこで出された食事を口にすると、二度と現世には戻れない決まりがあるのです。
もちろん。イザナミはすでに食べていました。
まぁ。死んだとはいえ、お腹は空きますからね。
夫のお願いを叶えたいイザナミは黄泉の国の神と相談するから『ちょっと待って』と伝えました。
で、さらに続けてこんな約束をしたのです。
『こっちの神との相談中は絶対に私を見ないでね。』と。
出た。心のしきたり禁忌『見るな』
そう言われると見たくなるのが世の常。人の常。ん?神の常か。。。?
もちろんイザナギも同じ心理状態となります。
妻との約束に背き、その姿をみてしまう。
イザナミの死後の姿は変わり果てていました。
からだにはウジがわき、膿にまみれ、頭にはオドロオドロしい大雷をまとい、破れた皮膚からは次々と鬼が生まれてくるのです。
イザナギは『死』の恐ろしさや見苦しさ、汚らしさ、怖さを初めて知りました。
慌てて黄泉の国から逃げ帰ろうとします。
それに怒ったのが、妻イザナミです。
『っち。このウソつきヤロー。何が愛しき妻じゃい。だーからあれほど見るなっていったろ。』ということで、手下の鬼を使いイザナギを追います。
まぁ〜しかしですよ。
それはそれは逃げ足の速いイザナギ。
鬼も追いつかない。
そこでイザナミは考えました。
『そーだ!そーだ!ここの食べ物を食べさせてしまえばいいや。そしたら帰れなくなる♡アダムとイブも禁断の実を二人で食べたし、きっとイザナギも食べてくれる♡』
と考え、色々と出しますが、、、
まぁ当たり前ですよね。イザナギは食べません。
イザナギはやっとの思いで黄泉の国と現世をつなぐ場所に辿り着きました。
イザナミも追いついたようです。
一足先に着いたイザナギは現世側に入りその境界を大きな岩で塞ぎました。
岩越しにイザナミはいいました。
『おい!このウソつきヤロー!私はもう怒ったからな!そっちの国の人間を1日1000人殺すからな!』そう言い放つと。。。
『うぅ、、、だ、だったら私は1日に1500人産む!』と言ったそうです。
かくしてイザナギは現世で、イザナミは黄泉の国で生きる事になりました。
この物語では、最後に岩であの世とこの世を塞いだとありました。
この『岩で塞ぐ』つまり、、、
あの世とこの世の通り道をシャットアウトする役目であるのが『石』という事になりす。
この事が由来してお墓を石で作るという諸説があると言われています。
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