From:渡辺知応
子供の頃に、両手の人差し指と中指をクロスさせて、、、
『えんがっちょん!切ったー!』と言った覚えはありませんか?
または同じジェスチャーで、『バーリア!』と言いながら相手を寄せ付けないポーズを取った事もあるのではないでしょうか?
当時は何も考えずに行っていたあのジェスチャー、、、
一体どんな意味があるのか、あなたは知っていますか?
えっ?知らない?
まぁ、そりゃそうです。
きっとGoogle先生でも知らないと思います。
では、日本の習わしからこの意味不明なジェスチャーの謎を解いてみましょう。
まずこの画像を見てください。
これは『異界万華鏡』と言います。
通称『狐の窓』と言うのですが、、、
作り方はこんな感じです。
やってみるとわかりますが、指が痛いんです、、、
で、なんじゃこりゃ、、、?
きっとこのジェスチャーを作ったあなたはそう思ったはずです。
コレはですね、、、
お天気雨の時にこの『狐の窓』を作ってその穴からのぞくと、狐の嫁入り行列が見えると言われています。
また、海の仕事をしている人が、海上で怪しい船を見つけた時は『股のぞき』という格好でその船を見ていたと言われています。
ちなみに怪しい船って、密漁船じゃありませんよ。
幽霊船って事ですよ。
幽霊船は船底が海面から浮いて走行していると言われています。
そこでこの『股のぞき』をすることで本物の船か、幽霊船かを判別できたと言われています。
『袖のぞき』という方法もあります。
袖のぞきをすると、河童や人魂などが見えるとの伝承があるそうです。
なんでこんな方法が各地にあるかというと、、、
昔は日常の中に不可解な事がおこったり、海の上で思いがけない現象に遭遇したり、山の中で迷った時など、通常では計り知れない事態に出くわすと、それは妖怪や幽霊、狐や狸の仕業ではないかと考えられてきました。
その妖怪たちは自分の正体が見破られてしまうと、人を化かす能力が失われると言われていました。
なので、そんな時は素早く相手の正体を見破って難を逃れる方法が必要だという事になりす。
そこで、考えられた方法が、狐の窓や股のぞき、袖のぞきなのです。
狐の窓は相手側からすると、手の裏と表を相手に見せていますよね。
そして、指が複雑にからまっていて、その間から相手をのぞく事になります。
しかも、晴れているのに雨が降っている日に、、、
股のぞきは、上半身と下半身の向きが逆で、上にあるはずの顔が下にあり、前を見ているが、足は後ろを向いている。
袖のぞきも同様に、前を向いていながら後ろを見るには袖をのぞくしかない。
要するに、上下や左右、前後、晴れているの雨が降っている、などなど、、、
あべこべの世界を同時に表現し、瞬時に両方の空間を創り、その境界からのぞく事で、相手がどちらの世界に属しているのか見て判断する事が目的だった考えられます。
日常の世界にもう一つ別の世界(異界)を創り出す仕掛けだと言えますね。
冒頭での、、、
両手の人差し指と中指をクロスさせて、『えんがっちょん!切ったー!』のジェスチャーですが、、、
相手を寄せ付けないあのポーズは、何か別のものが自分の中に入ってくる境界を塞ぐ意味があると推測できますよね。
そうそう、アメリカでは同様のジェスチャーでは、『グッドラック!!』つまり、『あなたに幸運を!』という意味だそうです。
まぁ、何か変な事が起きない事を祈るといった意味では、不可解な世界を閉じてあげるといった事で同じ意味合いなのでしょうね。
この記事へのコメントはありません。