From:渡辺知応
小学生の頃、ジブリ映画の中で、特に魔女の宅急便が好きだった記憶があります。
何が良かったの?と言われても、はてさて?何が良かったのか、、、
まぁ、猫を引き連れて、箒(ほうき)で空を飛ぶ、あの爽快感が良かったのかもしれませんね。
でも、ジブリ映画の多くは空を飛んでるんですよね。
この背景には、宮崎駿監督が過ごした幼少期の頃の環境が影響しているのですが、、、
話はジブリ映画云々ではなく、箒にまたがるのは、なにも魔女の宅急便のキキや魔法使いのサリーちゃん、西洋の魔女だけではありません。
日本の産神(うぶがみ:妊婦と新生児を守ってくれる神様)さまも箒に乗ってくると言われているのです。
ですが、なぜかその実態は、、、
過去の史料などには全く言及されてないのが特長なのです。
まず、日本の歴史において出産はケガレであるとみなされてきました。
なので、普通の仏様や神様は産室に近づかないものとされてきました。
しかし、産神さまだけは出産のケガレをモノともせず、産室を訪れては、妊婦を助け励ましてきたと信じられいました。
そんな産神さまですが、いずれもその姿形がはっきりしていないのです。
また、神話などに登場するような有名な神様でもないです。
厠神や箒神、山の神など地域によって呼び方は異なりますが、正体不明というのは共通している点だと言われています。
産室の前に箒を立てて置けば安産できるという伝承もあったりします。
また、妊婦が箒をまたいではいけないという言い伝えは各地にあります。
箒というのは、掃き出したり掃き集めるという特性上から、新たな命をこの世に送り出すための呪術的な意味をもった道具であったと言われています。
つまり、箒は生命を集めてこの世に産み出すた為の産神さまにとっては必需品のアイテムだったという事になります。
そうそう。安産祈願の際に妊婦のお腹を箒でなでるという習慣は全国各地に残っています。
そういった意味では産神さまは自身のマストアイテムである箒に乗ってやってくるというのも納得がいきますね。
じゃあ、西洋の魔女の正体は産神さまなのか?
と、そんな発想になる方もいるかと思うますが、、、
まぁ、西洋の魔女はやっぱり魔女なわけで、妊婦や新生児を助けたという伝承はないです。