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日本の風習

「泣き虫、毛虫、はさんで捨てろっ!」の本当の意味とは?

From:渡辺知応

「悪い子はいねぇーがー?泣ぐ子はいねぇーがー??」と聞けば、誰もが『なまはげ』を想像しますね。
どうやら『なまはげ』は泣く子のその悪いクセを直すために村里を訪れるそうです。

子供の頃に「泣き虫、毛虫、はさんで捨てろっ!」といった掛け声によって泣いてる側から囃し立てられた記憶はありませんか?

実はコレ、本来はからかっている訳ではなく、、、
泣き虫の子供は早く泣かないようにと、元気な子供になるようにと願った行為だったようです。

昔は、一度泣き出すとなかなか泣き止まない子供が多くいました。
そんな長く泣く子を『長泣き』と呼んだそうです。
まぁ、今でもたま見かけますよね。

そうそう、先日近くのTSUTAYAにビデオを借りに行った時に、、、
ここは2階がレンタルコーナーなのですが、階段を上っているとビービーギャーギャーと泣き叫ぶ声が聞こえました。

ん?どーしたどーした?とそちらの方を見ると、レジ前のお菓子を買って欲しいが為に駄々を捏ねている子供がいました。
一緒にいたその子のおばあちゃんらしき人は、「だからアンタとはココに来たくなかったのよー!もう帰るよっ!」と言って、寝ながら駄々を捏ねているその子供をそのまま引きずっていきました。
いやはや。久々に見た強烈な駄々コネっ子とそんな様子にもひるまない保護者の風景でした。

昔はもっと多くの子供が泣き喚いていたそうです。
そんな子供を叱り飛ばしてぶつような乱暴な母親があちらこちらにいて、その周囲の人たちは、どうして余計に泣かすんだ!!といって母親を叱ったそうです。

怒られた母親も泣いて、泣き虫だらけになった光景が日常茶飯事だったとか、そうでないとか、、、

しかし、その一方で、『泣く子は育つ』とか『子供は泣くのが商売』などとも言ったそうです。
逆に、あまり泣かない子供の場合には、むしろ周囲の人たちが『あの子は大丈夫なのか??』と気にかける程だったそうです。

江戸時代の武士で、江戸急進派と呼ばれる勢力的なリーダー格の堀部安兵衛。
その妻女で尼僧の堀部ほりは譚海という書物の談話に以下のように言っています。

小児の泣くといふこと、制せずに泣かすがよし。その児成長して後、物いひ伸びやらになるもの也と、同じ尼の物語なり。
(出典:譚海/妙海尼(堀部ほり))

つまり、『よく泣く子はむしろ大きくなって弁舌さわやかな人物になる』と言ったのです。
泣く子を叱ってぶったりせずに、勝手に泣かせておいた育児方法がかつての日本、、、
約400年前頃の元禄時代にあったということになります。

泣いている子供のことを『泣き虫』とか『泣きべそ』というような類の方言は日本各地に多くあるようです。

青森県では『泣きべっちょ』
愛知県では『泣きぶそ』
長野県では『泣きんべら』
鹿児島県では『泣きべし』

などなど、きっと各地方によって言い方は様々あることでしょう。
つまり、かつての日本には泣き虫の子供がいかに多かったかを物語っていますね。

どこかからかうような言い方ですが、その裏には泣き虫に対して囃し立てるような言い方をして、そんな子供には強くなってもらいたいという優しさの思いが込められているそうです。

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