From:渡辺知応
旧暦二月の初冬にめぐって来る二十四節気の「啓蟄」
この言葉はざっくり言うと、冬ごもりの虫たちが土中から這い出る様子を表す言葉なんだよね。
新暦では3月6日ごろに当たるわけだ。
しかし最近では、マンションの建設予定地に冬ごもりした虫が、そのままコンクリートの土台の下に閉じ込められてしまい、啓蟄の時を迎えても土中から出ることができない。
なんていうこともあるらしい。
らしいというか、現実問題その通りだよね。
CO2の問題ばかりがクローズアップされる昨今だけど、、、
啓蟄の循環を妨げる自然破壊にも目を向けたいとろだね。
さて、新暦の3月6〜10日ごろに当たる啓蟄の初侯を表す言葉は「蟄虫啓戸」
巣ごもりの虫が戸を開く。そんな意味だね。
この言葉からは、虫たちがそろそろと土中から顔を出すイメージが伝わってくるよね。
また、この時期には「虫出雷」という言葉もある。
これは、春の初雷に驚いた虫たちが、あわたたしく土中から飛び出す様子を表す言葉なんだ。
立春の後に初めて鳴る初雷は、おおむね一つ二つゴロッと鳴って静まる。
いかにも、虫たちを呼び出す春の合図といった雰囲気だよね。
新暦3月11〜15日ごろに当たる啓蟄の次候は「桃初笑」
桃が笑い始める、つまり桃の花が咲き始めるというわけだ。
曹洞宗を開いた禅僧道元の説法を集めた『正法眼蔵』の「雪中梅花」という段には、、、
「一輪の雪中梅花は、春風に吹かれて、爛漫と咲き誇るかのように笑っている」
と、いった意味の言葉が出てくるんだよね。
桃の花にかぎらず、昔の人は花が咲くことを「笑い」になぞらえていたんだね。
んで、この「笑い」はワハハという哄笑ではなく、、、
こぼれるような満面の笑みのイメージがぴったりだね。
そう想像すると、桃の白い五弁花が春風に吹かれて揺れている姿が浮かんでくるよね。
啓蟄の末候は3月16〜20日ごろで「菜虫化蝶」
菜の花を食べていた虫がサナギになり、羽化して蝶になる。そんなイメージね。
昔の人は蝶を「夢虫」「夢見鳥」の異称で呼んでいたんだ。
中国の『斉物論』にある「胡蝶の夢」が由来だそうだが、、、
この呼び名にはいかにも春を待つ人々の思いが込められているよね。
さて、もうここまでくれば季節は『春』そのものだよね。
暑さ寒さも彼岸までっていうくらいだから、ちょいちょい寒の戻り的な気候の日もあるけど、、、
まぁ、暖かい日が続く今日この頃って感じだね。
ちなみに、3月14日は晴れの特異日というんだ。
これは、前後の日と比べて偶然とは思われない程の高い確率で、特定の気象状態(天気、気温、日照時間など)が現れる日のことをいうんだよね。
特異日は世界的に認められた気象現象でもあるんだ。
なので、3月14日は晴れる!!
はずだw
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