From:渡辺知応
日本の風習の中には、元々あった存り方から、変じ転じて違う意味合いになったものが数多くあります。
例えば先週行われた、桃の節句である『ひな祭り』。
元々は紙や土で作った人型に娘の厄を身代わりになってもらう行事でした。
ですが、いつしかお祝いの行事と変化していきました。
(詳しくはこの記事を見て下さい。)
また、五月の『端午の節句』
現代では男の子のお祝いと認識されていますが、、、
元々は女姓の方がメインの日であったそうです。
まぁ、この事に関しては5月頃に詳しく書きますね。
このように、本来の意味から、別の意味に変わる事がしばしば見られる訳です。
さてさて、変じ転じて違う物になってしまった、『不幸な手紙』があります。
ある方の家に差出人不明の手紙が届いたそうです。
その封筒の中には、1枚の手書き文章がコピーされた手紙が入っていたそうです。
タイトルにはこう書いてありました。
『28人の棒をお返しします』
棒???
不思議に思いましたが、そのまま読み進めたそうです。
書き出しには、『これは棒の手紙と言います。知らない人から私のところに送られてきた棒を呼ぶ手紙です。』と書き綴られていたそうです。
12日以内にこの文章を変えずに28人に送ってほしい。
文章や書き方のルールを変えたり、この手紙を止めれば、あなたに棒が襲いかかります。
との趣旨が書かれていたそうです。
はぁ、、、棒が襲いかかる、、、ですか?
受け取った方は全く理解できなかったそうです。
『不幸の手紙』というのは聞いた事がありますが、『棒の手紙』が回ってくるなんて予想もしていない出来事に一瞬うろたえたようですが、、、
『ふん。棒が襲ってくるなら、襲ってきてみろ!』
と言い、こっちも棒を振り回して対抗してやろうと心に決めて、その『棒の手紙』をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に、、、
と思いましたが、そこは人間の弱〜い心理が働き、、、
一応、捨てずにちと持っておくか。。。あはは。と言いながら机の中にしまったそうです。
当たり前ですがその後、棒が襲ってくる事はなく、平穏な日々を過ごしていました。
ですが、そんなある日の事です。
病院の待合室にあった週刊誌をパラパラとめくっていたところ、ある記事に目がいきました。
『不幸の手紙が転じて、本来の役目を果たせない”不幸”な手紙』
といった具合の題名を見つけました。
はてさて?本来の役目を果たせない不幸な手紙?
つまり、この記事によると不幸の手紙は『不幸になりたくなければ回す』といったものであり、他の人に回り回ってその効果を発揮することが本来の役目です。
不幸というキーワードがあるからこそ、この手紙の魅力が出るのに、、、
『不』と『幸』が手書きで書かれた事によって、変じ転じて『棒』になったといこうのです。
『不幸の手紙』ではなく『棒の手紙』であったり、、、
『不幸が襲いかかる』ではなく『棒が襲いかかる』といった文章にかわってしまったということです。
わかってしまえば笑い話ですが、手紙を受け取った人の中には恐ろしくてきっちり28人に『棒』を分けてしまった人が何万人もいたと言われてます。
このように本来の意味から変じ転じて変わってしまった例もあるのです。