From:渡辺知応
日本家屋には仏間がありますよね。
その部屋にはもちろん、仏壇があります。
そして、天井付近には神棚があります。
つまり、家の中には神棚にて神様を祀りながら、仏壇で仏様を供養する光景が日本各地では多く見られれるというわけです。
ほぉ、、、
仏壇と神棚が同居してるんですね。
では、どうして古くからある日本の家では仏様と神様が同じ部屋に祀られれいるのでしょうか?
仏壇と神棚は違うでしょ?といった声を聞きますが、、、
『祖霊』という考え方からすれば一概に違うとは言い切れないのです。
民俗学者の柳田邦男氏は以下のように言っています。
我々の祖先の霊が、極楽などには往つてしまはずに、子孫が年々の祭祀を絶やさぬ限り、永く国土の最も閑寂なる処に清遊し、時を定めて故郷の家に往来せられるというふ考え
と述べています。
つまり、亡くなられた方は子孫たちの長年の供養によって祖霊となります。
その甲斐あって祖先霊と昇華します。
その後、子孫を守護し豊穣や福徳をもたらす神になるということなのです。
なるほど。。。
これが家の仏様と神様は一概に違うとは言い切れない理由なんですね。
仏教がインドから中国にわたり日本にやって来る前からこの『祖霊信仰』はありました。
この背景には日本古来の霊魂観が深く関係しています。
仏教が隣の大陸から伝来して定着していく過程において、、、
日本に元々あった固有の祖先信仰に論理的な裏付けがされました。
日本人にはスーッと仏教が入っていった訳です。
以来、身内に不幸があった時は仏式で送り出しました。
その後、喪が明け、普段の生活に戻ると、日々の吉凶を神事に委ねて毎日を送るようになります。
確かに仏様と神様は違います。
ですが、家の中の仏壇と神棚においてはそうとは言い切れないのです。
実は繋がっているから同じ部屋の同じ向きに祀られていると思えば合点がいくのではないでしょうか。