日本の風習

『向こう三軒両隣』とは?


From:渡辺知応

『向こう三軒両隣』と言えば、、、
読んで字のごとく、自分の家を中心として、真向かいの3軒の家と、左右隣の家を指します。
この家々は日頃から何かと付き合いが多いので、助け合いや共同の作業を行ってきました。

しかし、実際には、真向かいの3軒と左右両隣が助け合いをしていたかというと、そうではありません。
つまり、この『向こう三軒両隣』というのは近隣の親しい関係を象徴する言葉ということになります。

では、どうしてこの近隣組織が組まれたかというと、、、
江戸時代の5人組に由来するものだそうです。

その後、戦時体制下の昭和15年頃、従来の近隣組織を再編成して、『隣保班(りんぼはん)』というものが正式に設けられました。
いわゆる『隣組』と呼ばれるものです。
これは10軒前後の家々によって組織され、様々な事を行う際にお互いに助け合うようにと法的に決められたのです。

なんと!驚きです!
各地域にある『組組織』は地域での取り組みではなく、日本国の取り組みだったんですね。
いやはや。これは、知りませんでした。。。

戦争が終わると、この『隣組』制度は徐々に衰退していきますが、、、
それでもその機能的なものはしっかりと受け継がれていきました。

その例として農山漁村の多くは『村組』という組織が存在します。
これは戦前からあり、戦時中の隣組制度になっても村組のシステムがそのまま機能し、今もなお脈々と受け継がれています。

村組は地域によって呼び方が異なるようです。
・洞(ほら)
・屋敷(屋敷)
・沢(さわ)
・坪(つぼ)
・庭(にわ)
・庭場(にわば)
・谷戸(やと)
・垣内(かいと)
・耕地(こうち)
・小路(こうじ)
・隣保(りんぼ)
・門(かど)
・方切(ほうぎり)
などと呼ばれています。

構成されている原理や戸数も様々です。
地域ごとの呼び名の字を追っていけば、その由来などがわかりますが、、、
まぁ、今日はそこまで触れません。
また機会を見つけて書きたいと思います。

現代では生活の助け合いなどの風潮はさほど見られなくなりましたが、それでも特別な時には集まっています。
その代表的な例として、お葬式での手伝いなどが挙げられます。
近所の方が受付や案内をしている姿を見た事があるのではないでしょうか?

また、お寺や神社の祭禮の際には何かの役割を当番制で請負、地域の信仰を次の世代に継承しているのではないでしょうか。

現代では生活が豊かになり、各家庭内での生活は何不自由なく過ごせています。
ですが、小家族単位での生活が不可能であった時代において、隣組のような近隣組織は人々の生活の労働や子供の教育、信仰継承などなどあらゆる場面において重要な役割を担っていたという事なのです。

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