日本の風習

東京と富士山の関係

From:渡辺知応

東京23区には40あまりのミニ富士山があります。
富士山の形をした小さな丘で、これを『富士塚』といいます。

この富士塚を巡り歩く事を『東京の富士山めぐり』と言い、今でも密かに行われているのです。

そもそもこの富士塚というのは、、、
それなりの歴史があります。
例えば、渋谷区にある鳩森八幡宮の境内にある富士塚は約230年前に築かれたそうです。
その他の富士塚も同年代に出来たと言われています。
これら東京に数多くある富士塚は江戸時代に流行した『浅間信仰』の名残だそうです。

浅間信仰とは、浅間神社に祀られるコノハナサクヤヒメを奉ずる信仰ですが、、、
浅間神社のご神体が富士山なので、イコール『富士信仰』ともいいます。

なんだか複雑な関係ですね。

まぁ、浅間神社を信じる人たちはその母体でもある富士山も同時に信じていたという事ですね。
富士信仰は戦国時代の末期から江戸時代にかけて神道行者の角行を開祖とする富士講(富士山を霊山として登拝する信仰組織)によって広まり、最終的には808つの富士講が生まれるほど流行ったそうです。

そして富士塚の発祥は江戸中期に富士講の一つを開いた伊藤伊兵衛が関係しているようです。
伊藤氏を師と仰いだ植木職人の藤四郎氏が高田水稲荷の境内に高さ5メートルの富士山を作った事が全ての始まりだそうです。

これ以降、江戸中のいたるところに、富士山の浅間神社を祀った富士塚が築かれたていった、という訳です。

しかし、これらのミニ富士山を参詣するのはおおむね富士信仰にあまり関係のない江戸の庶民でした。
富士講の講中は3776メートルの本場の富士山を登り、我が身にその苦難をかせて富士山登拝をするのが本来のスタイルです。

富士講による富士山登拝の山開きは旧暦の6月1日。
この時期に合わせて江戸中に築かれた富士塚には富士講以外の大勢の江戸庶民が訪れ、大変な騒ぎになったそうです。

富士塚を安置する神社の境内では富士山詣の名物である『五色の綱袋』や『魔除けの麦わら蛇』が売られていました。
門前のお店では冷水を売ったり、琵琶葉湯(びわようとう:琵琶の葉を日柱、甘草などと一緒に混ぜ込んで煎じたもの。暑気払いに効果があるとされた)売りの声が響き渡ったそうです。

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