日本の風習

続、敷居や畳の縁を踏んではいけない理由


From:渡辺知応

日本の家屋の中で『敷居』には常に不思議な言い伝えが付きまといます。

例えば、、、
『敷居を踏む』ということは、、、
親の頭を踏むのと同じ意味だからしてはいけない。とか
『敷居を枕』にすると、、、
頭の上に幽霊が出る。とか、親が病気になるといった伝承が各地に残っています。

なぜ、敷居をまたいだり踏んだりしてはいけないのでしょうか。以前にも敷居や畳の縁を踏んではいけない理由という記事を書きましたが、、、
そもそも『敷居』とは、家の玄関や各部屋を仕切るための建具を通す溝状の横木のことを言います。
つまり『敷居』とは家の中の内側と外側を間仕切る一種の『結界』だと言えます。

ある地域では葬儀後に食事をする際、敷居を挟んだ状態で餅を引っ張り合いながら食べる。
といった風習が残っているようです。
これは葬送の儀礼のみに行われる特殊な食作法なのですが、、、

このような事例のような風習は何を伝えたいのかというと、、、
敷居はただ単に空間を間仕切るだけでなく、『この世』と『あの世』を区切る結界の象徴を意味付けているのです。

だからこそ普段の生活でむやみやたらに敷居を踏んだり、またいだりすることを普段の生活習慣では禁じたのです。
ここでの”またぐ”は歩く際に”またぐ”といった意味ではなく、故意にまたぐ動作をするといった意味です。
なので日本のしきたりでは、敷居を枕にして寝る事をご法度にしたわけですね。
敷居を枕にすれば、頭の向こう側は『あの世』にいっている訳で、その際に普段見えない幽霊が見えるといった伝承が残るのもうなずけますよね。

実際問題、またいだ敷居の向こうが『あの世』や『この世』で分けられてはいませんが、このような理由のはっきりしない日常の行為や言ってはいけない言葉は各地で今も伝わり続けています。
多くの場合、何かの『信仰』と関係している事がほとんどですが、強いてい言うならばこれは先人より代々受け継がれてきた『生活の知恵』だという見方もできます。

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