From:渡辺知応
約20年前に『メリーに首ったけ』というロマンティック・コメディの映画がありました。
製作当初、周りからはB級映画だとからかわれていましたが、予想外のヒットを飛ばしましたました。
メリーを演じる、女優キャメロン・ディアスの出世作でもあります。
当時は多くの男性が邦題の通り、『メリー(キャメロン・ディアス)に首ったけ』になった事でしょう。
さて、そんな『首ったけ』という語句ですが、江戸時代から使われてきたようです。
語句の歴史をさかのぼると、、、
『くびだけ』だそうです。
更にさかのぼれば、、、
『くびたけ』だそうです。
漢字で書くと『首丈』となります。
つまり、足もとから首までの高さという事ですね。
そのことから、物事が多く積もる様子に使うようになりました。
なので、当初の使用例としては、、、
『首丈の水に浸かってしまった』
とか
『首丈の借金』という具合です。
物事が積み重なる様子と同時に、、、
これ以上積もってしまうと、息ができなくて死にそうになるといった意味も込められているようです。
更に『首丈』の意味が変じ転じて、、、
ある対象に注ぐ気持ちや思いが深く、そのことに深くはまり込んでしまう様子となったようです。
これらの描写をまとめると、異性に惚れ込んでしまう様子にぴったりではないでしょうか?
朝から晩まで(足もとから首まで)相手のことを考えてしまい、、、
これ以上思いが積もってしまうと、息ができなくて死にそうになる気持ちになり、、、
相手に対して注ぐ気持ちや思いが深くて、そのことに深くはまり込んでしまう、、、
まさに『首ったけ』ですね。
江戸っ子好みの用法に傾いた背景が伺えますね。
で、もしかしたら、『首だけ』に、、、
好きな相手の首に手を回す自分の姿を連想したのかもしれませんね( ´艸`)