ことわざ

おおむこうをうならす


From:渡辺知応

『大向こうをうならす』ということわざがあります。
あなたは知っていますか?

『大向こう』とは芝居小屋の舞台から見て正面のずっと後方のことをいいます。
そこには、、、
立ち見席や一幕見の観覧席があるのが常です。
そして、通と言われるような人は、好んでその席に座るそうです。
まぁ、料金が安いといこともあり、一般大衆が陣取る席でもあったそうですが、、、
時にひいきの役者に声をかけたり、下手な役者をなじったりするのも、ここに座っている人たちだそうです。

そうそう。
一時期テレビのワイドショーを騒がせた歌舞伎役者とその恋人の話にもこの『大向こう』の席の話が出てきましたね。
結局その恋人は『大向こう』の席には座らせてもらえなかったとか、、、なんだこうだと泣きながら言っていましたね。
まぁ、その歌舞伎役者からすれば、そこに座るにふさわしくなかったと無言のアクションだったのでしょう。

さてさて、『大向こうをうならす』というのは、そういった『大向こう』にいいる一癖も二癖もある人たちを『うならせる』ことを言います。
つまり、感心して、褒め称える声をあげさせる事を言います。

これは芝居ばかりでなく、あらゆる演芸についても言えます。
文学作品についても言える事です。
大衆文学についてはよく似合いますが、純文学につていうとなると、相手は口うるさい評論家達です。
そういった方達を『いや〜!見事だ!』とうならせる時にぴったりの言葉ですね。

また、わざとハッタリをきかせるような演技や作品を見せ続けると、『大向こうを狙ってばかりいるな』と逆に非難されることになります。
そういった役者や作者の事を『大向こうねらい』と揶揄されるようです。

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