日本の風習

初日の出ブームを後押しした明治国家

From:渡辺知応

 

前回は、正月のめでたい習慣は、暦によって自らの縁起の良い方角にあるお寺や神社へ、恵方参りをすることが、色々と転じたのが初詣の起源だととお伝えしました。

では、初日の出はどうなのでしょうか?
現在では、各地で新年最初の日の出を心待ちにし、一年の安泰を祈っています。

2016年の元旦もそうでしたね。
朝の情報番組”ZIP”でも、午前6時30分過ぎから、、、
今年の初日の出の時間を当てるクイズをしていました。

スタジオ内は、もう出るぞ!もう出るぞ!と大盛り上がり。
放映の尺を10分以上も使って、初日の出の瞬間を映し出していました。

いやー。でも今年の元旦は本当に晴天でしたね。
まさに”日本晴れ”にふさわしい1日でした。

確かにこんな日の初日の出は「めでたさ」が倍増する気持ちになりますよね。

さて、この初日の出について、日本の民俗学研究者である岩本通弥氏は自身の著書にてこう書いています。

 

初日の出も、江戸時代の中後期から流行した江戸庶民の物見遊山から始まるもので、明治期になると、高輪、芝浦、愛宕山、神田、湯島など、海上を望む見晴らしの良い場所に集まって日の出を待つのがブームとなっていた。それが、明治国家による日の丸や太陽暦の採用、日清・日露の戦勝と国威発揚により、初日の出の奉拝は旭日の瑞祥を寿ぐ行事となっていったのである。

(出典:初日の出考/岩本通弥)

ほほぉ。なるほど。
旭日昇天の勢いの国家と自負され、『日出ずる国、日本』この言葉を生み出した当時の国家らしい流行ですね。

その後、初日の出は四方拝(しほうはい:一年の最初に行われる宮内の儀式。別の機会に詳しく書きますね。)とともに国家の繁栄を祈願する厳粛な行事になったようです。

伝統的ではなかったが、はるか昔からあるような行事の初詣や初日の出ですが、この『創られた伝統』を加速させる事がこの後起きるのです。

次回はこの『創られた伝統』にフォーカスしてみたいと思います。

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