日本の風習

実は日本の衣食住に深く関わっていた藁(わら)について


From:渡辺知応

 

私は納豆が好きなのですが、、、
小学生の頃、スーパーマーケットで売っている、パックに入った納豆ではなく、、、
漫画に出てくるような藁(わら)に包まった納豆が食べてみたかったのです。
買い物に行くたびに、藁に包まっている納豆はないか?キョロキョロしたものです。

さて、そんな藁ですが、原材料はイネ科の植物から採れる茎を乾燥させた物です。
これは誰もが知っていますよね。

別の角度から見ると、、、
食べる為に育てたお米や麦を採った際に産出される副産物であるとも言えます。

この藁という副産物はかつての日本において、欠かせない資源でした。

民俗学者の太郎良裕子氏は以下のように言っています。

わが国では、古くから生活のあらゆる場面で藁を広く活用してきた。たとえば食生活では、鍋敷き、たわしなど、住生活では、畳、縄のれん、ほうきなど、衣生活では蓑(みの)、草履(ぞうり)、草鞋(わらじ)などを作って利用してきた。
また、人びとは注連縄(しめなわ)、注連飾りを張って神々を招き、盆には藁火を炊いたり、藁馬、藁人形を作って死者の霊を送り迎えした、祝いの品を藁苞(わらづと)に入れて隣家や親戚に贈ることもあった。藁は日常生活のみならず、信仰、祝祭、儀礼に不可欠である
(出典:私の野帳から-稲藁と農村-/太郎良裕子)

どうですか?
上記の他にもまだまだ藁を使った物は存在します。
ご自身の周りにも藁で作った物があるのでは、、、

ん?現代ではタワシくらいですかね。。。

『藁』と聞くと、多く方の脳裏には『藁人形』をイメージされるはずです。
藁人形のイメージは強烈ですからね。

藁人形は元々、死者の埋葬の際に副葬品として使われていました。
平安時代では、疫病が流行った際に、その病気を人間ではなく藁人形を身代わりにする為、道端に立てて病魔から逃れたそうです。
疫病を避けるだけではなく、田畑の害虫駆除の為に藁人形を持ちながら田畑を歩き、川に流す習俗もあるそうです。

戦国時代では、合戦などの際、敵を攪乱(かくらん)する為に藁人形を使ったそうです。
藁人形にもちゃんと鎧を着せて、人間の武者に見立てることもあった。
軍記物語や当時の記録にそう残っています。

そして、オドロオドロしい、丑の刻参りで使われる藁人形。
全国各地で伝承される丑の刻参りですが、共通して言えるのは、、、

『丑三つ時(午前1時〜3時)に藁人形を釘で打つ。』ですね。

その中でも比較的オーソドックスな話は、対象となる相手の髪の毛や爪などを藁人形に埋め込み、丑三つ時に、五寸釘を使い、藁人形に釘を打ち込む。
すると、対象の相手が苦しむ、、、といったもでしょうか。

夜中の2時に突然体が痛み出したら、、、
なんて考えると、、、

いやいやいや。それはないでしょ〜

なんて言っている人でも、苦笑いになる顔が思い浮かびます。
うーん。やっぱり怖いですね。

前回も言いましたが、『日本では、お米に、とてつもない霊力が宿っていると古くから信じられている』とお伝えしました。
藁は、大地から吸い上げた様々なエネルギーを一粒一粒のお米に霊力を注ぎ、宿した稲穂の茎部分ですからね。

藁にも同様の霊力があると信じられたのでしょう。
人々は稲魂の信仰とともに、藁でつくられた生活用品にさまざまな意味を託してきた事と想います。

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