日本の風習

「めでたさ」に隠された、本来のお正月の過ごし方とは?

From:渡辺知応

 

前回は、日本の伝統的だと思われていた初詣や初日の出ですが、実は明治以降からの新たに加わった国民行事という事をお伝えしました。

では、この初詣や初日の出がどうして『新たな国民行事』になったのか?
これらを紐解くヒントが民俗学の視点から知る事ができます。

まず、正月元旦というのは、、、
家族とともに、歳徳神様(としとくじん:その年の福徳を司る神様)を迎える日でした。
この日は家の中に慎みこもって、静かに歳徳神様を待つのが本来のお正月の在り方でした。

ちなみにこの風習は今から、約1470年以上前の飛鳥時代の話です。
飛鳥時代は聖徳太子が活躍されていた時代ですね。

さて、この歳徳神様の正体ですが、もとは先祖の霊の融合体だったと民俗学では推測しているそうです。(これについては別の機会に詳しくご説明しますね。)

私はこの説を聞いた時に、合点がいくところがありました。

小さい頃、新年の挨拶にと、母方の実家に行った時、頂いたお年玉を握りしめて早くおもちゃ屋さんに行きたいのに、なぜか行き先はお墓参りでした。
兄弟とピーピー駄々をこねた記憶が蘇りましたね。

さて、以下は民俗学者の柳田國男氏の説です。

 

本来、正月は盆と同様に祖霊祭祀の機会であったことは、お隣の中国や韓国の正月行事をみても容易に理解できよう。
日本の場合、仏教の深い関与で、盆が死者を祀る日として凶礼化する一方、それとの対象で、正月が極端に「めでたさ」の追求される吉礼に変化した。

(出典:先祖の話/柳田國男)

という説を唱えています。

ほほぉ。なるほど。
ここでも合点がいくところがあります。
これは今でも暮らしの中に脈打つ習慣ですよ。

そうです。年賀状の代わりに出す、喪中葉書です。
(この年賀状についても色々な風習があるので別の機会にお話ししますね。なので今回は割愛です。)

しかし、時代の流れと共に、祖霊を祀るという意味が薄れていったそうです。

約1200年前の平安時代になると、この時代のヒーロー的存在であった、陰陽師の影響もあり、稔神(みのりがみ:五穀豊穣の神様)でもある歳徳神様は年の初めに1年間の福をもたらす神様とみなされていったそうです。

いつの世も『時代の変化』は起こるということですね。

次回は、「めでたさ」が強調されたいった初詣は、どのように成り立っていったのか?
ここにフォーカスしたいと思います。

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